愛知県では、常滑市にある「INAXライブミュージアム」など陶磁器文化を体感できる施設が人気です。
名古屋市の都市観光とはまた異なるものづくりの伝統と技を感じられる産業観光も充実しています。
愛知県は「一色うなぎ」に代表されるうなぎの産地として知られており、稚魚（シラスウナギ）から成魚まで育てる完全養殖が盛んに行われています。
天然のシラスウナギは冬から春にかけて河口で捕獲され、養殖場に運ばれて水温管理や餌の調整などを経て1年半〜2年かけて出荷サイズまで育てられます。
愛知の養殖うなぎ業が難しい理由とは
愛知県における養殖うなぎ業は、水質や水温、餌の管理などが非常に繊細で、少しの環境変化でもウナギが弱ったり成長が遅れるなどのリスクが伴います。
特に愛知では天候の影響を受けやすく、温暖化に伴う気温上昇が水温管理をさらに難しくしています。
さらに、病気の発生や酸素不足などに迅速に対応する必要があり、養殖者の高い知識と経験が求められる職種です。
日々の観察とケアが欠かせないため、決して楽な業種ではありません。
養殖うなぎにかかる莫大なコストについて
養殖うなぎには莫大なコストがかかります。
まず稚魚であるシラスウナギ自体が非常に高価で、1kgあたり数十万円になることもあります。
さらに、人工飼料や生き餌、酸素供給設備、ろ過装置、水質維持のための薬剤、光熱費、人件費など、維持費が年間通じて継続的にかかる点が大きな負担です。
近年は餌代や電気代の高騰が利益を圧迫しており、経営的にも厳しさを増しているのが現状です。
養殖うなぎはそれでも儲かるのか
高コスト・高リスクにもかかわらず、養殖うなぎは適切な経営と品質管理があれば十分に利益を見込める業種です。
とくに愛知のうなぎはブランド力が高く、安定した取引先があるため高値での出荷が可能です。
また、加工品としての販売や直販ルートの確保、ふるさと納税での活用など、販路拡大によって収益の多様化も可能です。
ただし参入障壁は高く、成功には綿密な計画と技術の習得が不可欠です。